概要
「国道と県道って、どう違うの?」
「国道6号は“国の道”なのに、なんで県が管理してる区間があるの?」
こんな疑問を持ったことはありませんか?
普段なにげなく走っている道路ですが、実はそれぞれにしっかりとした役割とルールがあります。
この記事では、国道と県道の違いをわかりやすく解説しながら、例として茨城県の道路事情も紹介します。
「へぇ〜」と感じる豆知識や、道路標識の小ネタも交えて、楽しく学べる内容になっています。
国道とは?“おにぎりマーク”が目印の日本の幹線
国道の標識といえば、白地に黒枠の逆三角形マーク。
中央に数字が書かれ、その形が「おにぎり」に似ていることから、道路ファンの間では**“おにぎり標識”**と呼ばれています。
国道は「国が指定した重要な道」
国道とは、国土交通大臣が指定する“日本の骨格”となる道路。
都道府県をまたいで、主要都市や港、県庁所在地などを結ぶ幹線道路のことです。
「国道=国の管理」というイメージがありますが、実際は少し違います。
管理者の違い
- 指定区間(高速・幹線など) → 国土交通省(国)が管理
- 指定区間外(市街地など) → 各都道府県が管理
つまり、国道とは「国が指定した重要な道」であり、国の所有物という意味ではないのです。
たとえば、国道6号の水戸市区間などは茨城県が管理しています。
県道とは?六角形の「ヘキサ」マークがシンボル
県道の標識は、青い六角形の形。
上に「県道」、下に都道府県名と番号が書かれており、その見た目から**“ヘキサ(六角)マーク”**とも呼ばれています。
地域をつなぐ「生活の道」
県道は、県内の市町村、港、駅、観光地などを結ぶ“地域密着型の道路”。
都道府県知事が指定し、整備・管理も県が行います。
国道ほどの交通量はないものの、通勤・通学・物流などを支える、生活の血管のような存在です。
山間部ではすれ違いも難しい細い道路も多く、地域のリアルを感じる道とも言えます。
国道と県道の番号ルールと豆知識
国道の番号の決まり方
現在、日本には国道1号〜507号まで存在します。
かつては「一級国道(1〜99号)」と「二級国道(100番台以降)」に分かれていましたが、1964年の道路法改正でこの区分は廃止されました。
ちなみに、59〜100号は欠番ですが、例外的に国道58号(鹿児島〜那覇)は現存しており、「海を越える国道」として知られています。
県道の番号の決まり方
県道は「主要地方道」と「一般県道」に分かれています。
- 1〜100番台:主要地方道(県内の主要都市を結ぶ)
- 101番以降:一般県道(地域レベルの道路)
番号は識別のためのもので、距離や地名とは関係ありません。
たとえば「茨城県道7号石岡筑西線」は主要地方道ですが、“7”という番号が特別な意味を持つわけではありません。
茨城県を通る国道一覧(全19路線)
茨城県は、東京・千葉・栃木・福島など複数の県と接しており、関東と東北を結ぶ交通の要所です。
以下は、県内を通過または起点・終点とする国道の一覧です。
| 国道番号 | 起点~終点 | 主な特徴 |
|---|---|---|
| 4号 | 東京都中央区~青森市 | 茨城県西端(古河市付近)をかすめる |
| 6号 | 東京都中央区~仙台市 | 県を縦断。取手・水戸・日立を通る |
| 50号 | 前橋市~水戸市 | 関東横断ルート。物流の大動脈 |
| 51号 | 千葉市~水戸市 | 沿岸ルート。潮来・鹿嶋を通過 |
| 118号 | 水戸市~会津若松市 | 北関東と東北をつなぐ山間ルート |
| 123号 | 宇都宮市~水戸市 | 栃木県との主要連絡路 |
| 124号 | 銚子市~水戸市 | 鹿島灘沿いの観光ルート |
| 125号 | 香取市~熊谷市 | 県南部を横断する県境ルート |
| 245号 | 水戸市~日立市 | 太平洋沿岸の都市間連絡路 |
| 293号 | 日立市~足利市 | 茨城北部と栃木を結ぶ内陸ルート |
| 294号 | 柏市~会津若松市 | 常総・下妻など県西部を縦断 |
| 349号 | 水戸市~宮城県柴田町 | 東北へ向かう縦断ルート |
| 354号 | 高崎市~鉾田市 | 群馬〜茨城を結ぶ物流動脈 |
| 355号 | 香取市~笠間市 | 南部から中部へ向かう地域連絡路 |
| 400号 | 水戸市~福島県西会津町 | 内陸部を通る山岳ルート(※詳細は後述) |
| 408号 | 成田市~高根沢町 | 空港アクセスにも利用 |
| 461号 | 日光市~高萩市 | 北部の山岳地帯を縦断 |
| 468号 | 横浜市~木更津市 | 圏央道として整備 |
| 354号(水海道有料) | 境町~常総市 | 茨城県道路公社が管理する有料区間 |
国道400号は「茨城県を通るけど、見えない国道」
国道400号は茨城県を通っていますが、県内ではすべて他の国道との重複区間で、単独区間は存在しません。
そのため、実際に「国道400号」と書かれた標識を目にすることはほとんどありません。
✅ 茨城県内の国道400号の扱い
- 起点は茨城県水戸市の中央郵便局前交差点(国道50号との交点)
- 茨城県内では国道118号・国道293号との重複区間のみで構成
- そのため、標識や地図上では「国道400号」として明示されていない場合も多い
✅ 栃木県での国道294号との接続
- 茨城県から栃木県に入ると、那須郡那珂川町の旭町交差点で国道293号との重複が終了
- そこから国道294号との重複が始まり、佐良土交差点(大田原市)まで続く
✅ 路線の流れ(簡略)
- 水戸市(茨城県)起点:国道50号と交差
- 国道118号と重複 → 国道349号と一部重複 → 国道293号と重複
- 栃木県旭町交差点:国道294号と重複開始
- 佐良土交差点:国道294号との重複終了 → 単独区間へ
- 福島県西会津町まで続く
✅ 茨城県内での見え方
茨城県内では「国道400号」の標識はほぼ見られず、実質的には国道118号や293号として認識されている区間です。
しかし、政令上の正式な起点は水戸市中央郵便局前交差点であり、茨城県を通っていることは間違いありません。
豆知識:道路標識の“形”には意味がある!
- 逆三角形(国道):全国統一で視認性が高い
- 六角形(県道):地方自治体の管理を象徴
- 丸型(市道など):市町村が独自整備する場合に使用されることも
こうした形の違いを意識してドライブすると、道路標識を見るのがちょっと楽しくなります。
まとめ:国道は骨格、県道は血管。道路は社会をつなぐ生命線
茨城県には、国道だけで19路線が通っており、首都圏・東北・太平洋沿岸をつなぐ交通のハブとなっています。
国道と県道の違いは、「名前」よりも**“役割と管理者の違い”**にあります。
- 国道は日本全体を支える“骨格”
- 県道は地域社会をつなぐ“血管”
普段なにげなく走るその道も、日本の交通の歴史と仕組みの一部。
そう思うと、ドライブ中の風景も少し違って見えるかもしれません。
この記事が「道路って意外と面白いな」と感じるきっかけになれば嬉しいです。
それでは、安全運転で良い旅を。

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